ハーバルボールボールとは
ハーバルボールとは、アーユルヴェーダ発祥地スリランカ、インドはもちろんのこと、タイのスパなどでもよくみかける数十種類のハーブを砕いて布で包んだフラスコのような形状のもの。
スパ好きの女性なら一度は見たことがあるのではないでしょうか。
オイルトリートメント後に、2個のハーバルボールを左右に持ち、関節、背中、手足の甲などに直接肌にポンポンと押し当てて発汗作用を促すことで血流を改善したり、またスチームしたハーバルボールで体を芯から温めることで痛みのもとや体の調節機能を正常化したりと、体が本来持つ最高のコンディションに戻してくれる作用があります。そのため、アーユルヴェーダサロンでも人気が高く、代表的な施術のひとつです。
夏真っ盛りの今こそ、ハーバルボールを使って温活することで、体を巡らせたり、女性のあらゆる不調の改善が期待できたりするなど、健やかに日常を過ごすための大きなヒントがたくさん詰まっているのでご紹介したいと思います。
ハーバルボールを使って免疫力をアップをサポート
夏の季節は、自宅や会社、外出先や乗り物の中でも、冷房が1日中稼働していることにより、部屋の空気は乾燥し、お肌も乾燥してしまいます。さらに、体が芯まで冷え切ってしまうことで、自律神経のバランスを崩してしまい、夏は冬に比べて女性は不調を招きやすくなってしまいます。
女性は体を温める温活こそ、きれいと健やかさの近道です。
自律神経とは
A:交感神経(活動モード)➡血管収縮:血圧・心拍数が増・筋肉緊張・集中力・エネルギを作りだす力がUP・発汗促進
B:副交感神経(休息モード)➡血管拡張:血圧降下・心拍ゆっくり・筋肉弛緩・発汗抑制
この互いの神経がバランスよく取れてはじめて、心身が安定します。
女性は男性に比べて熱を作り出す筋肉量が少ないため、体温調節が上手くできないことで体の中に熱がこもってしまい、その結果、クーラー病や、肩こり、だるさ、頭痛などのあらゆる不調が出てくるといわれています。
また、マイナス1℃体内温度が下がることで、体内の60%の免疫力が減少するという結果も出ていますので、夏こそ身体を温めるケアが何より大切になります。
免疫力とは
自らを病気から守る仕組みのことで、ウイルスや、感染細菌、カビなどの病原体が血液やリンパ液から流れてきても、免疫細胞で防御する力を備えつけておく力のことをいいます。
これ以外にも生活習慣・社会生活・食生活などにも深く関わっているとされています。
ハーバルボール使い方
著者撮影
先述のとおり、暑い季節でも体が冷えないように温めることを意識し、取り入れることは、健やかさときれいを作るためにも大切です。
では早速、体を温めるのに有効なハーバルボールの使い方をご紹介していきます。
本場スリランカ・アーユルヴェーダ施設ではハーバルボールを温めるときにはスチームを使用しますが、今回ご紹介するのは、どのご家庭にもある電子レンジでの使用方法をお伝えいたします。
- ボウルに水を軽く入れて、袋から出したハーバルボールのハーブが包まっている丸い部分を水に浸して少し柔らかくしたあと、ある程度の水分をとります(パパっと水分を払って水分を簡単にとるイメージ)。
- お皿にハーバルボールを置き、軽くサランラップをかけて、電子レンジで3分~5分程度温めます。
その際に、ハーバルボールの大きさや、メーカーにより温める時間が異なりますので、様子を見ながら行ってください。 - 温めが終了したら、ハーバルボールの持ち手が熱くなるので、火傷に注意して、タオルや鍋つかみなどで取り出してください。
その際、ご自身の手の甲や腕などで温度の確認をしてください。 - ハーバルボールを温め用意が出来ましたら、下半身から上半身の順番で当てていきます。
※肌が弱い方は、タオルや洋服の上からハーバルボールを当てても構いませんし、それ以外の方は、そのまま直接肌に当てて下さい。
【順序1(あおむけ)】
足の甲➡ふくらはぎ➡ひざの裏➡太もも➡太もも付け根(リンパ)➡子宮あたりの下腹部➡横腹➡脇の下(リンパ)➡肩
このときに肩こりがある方は、ハーバルボールを2個両肩に5分程度置くことで、さらにハーブのパワーが浸透し体が軽くなります。
【順序2(うつぶせ)】
足の裏➡ふくらはぎ➡腰➡背中➡両脇➡肩
このときに腰痛がある方は、ハーバルボール2個を腰に5分程度置くことでハーブのパワーが浸透し、体が軽くなります。
女性は特に、下腹部・腰・肩の3か所にハーバルボールを2個を置き、温めて巡らせることで免疫力アップサポートに繋がり、不調知らずの心身へと整えていきましょう。
※ハーバルボールが冷めてきたら、再度ご案内した方法で電子レンジで温め直して使用して下さい。
ハーバルボールの保存方法 豆知識!!
ハーバルボールは使ったあとそのままジップロックなどの保存袋に入れ、冷蔵庫で保存しておくと、約1週間ほど繰り返し利用できます。
また、ハーバルボールを捨てる際はハーバルボールの中に入っているハーブは肥料にもなるので、ご家庭で菜園を持っている方はぜひ捨てずにご利用ください。
ハーバルボールにはどんな効能があるの?
- めぐり改善
- 美肌効果
- リラクゼーション
- 心身のバランスを整える
- 痛み緩和
など、個人差はありますが、ハーバルボールで体を温めハーブの作用を借りることによって、上記のような効果が期待できるとされています。
ハーバルボールにはどんなハーブが入っているの?
その土地や気候、メーカー各社など、ハーブの調合が変わりますが、一般的には下記のハーブなどが配合されています。
ハーバルボールに使われる各種ハーブの作用:
- レモングラス(抗菌作用・リラックス作用)
- シナモン(冷え性改善・疲労回復)
- ジンジャー(殺菌作用・血行促進作用)
- ウコン(血行促進作用・脂肪代謝作用)
- ライム(免疫力向上・疲労回復)
- ガーリック(抗菌作用・整腸作用・血行促進作用)
- ココナッツ(免疫力向上・脂肪燃焼作用)
- そのほか、シード(アンチエイジング)
など、各ハーブやスパイス、食材には上記のような作用があります。
食材や植物などにアレルギーを持っている方は、購入前にどんなハーブやスパイス、食材などが入っているのかを確認してください。
著者撮影
ハーバルボールの購入先
アーユルヴェーダサロンやオンラインショップなどで購入可能ですが、フレッシュハーブを使用されているところでは安全面や衛生面がきちんと管理されているところでの購入をおすすめします。
また、ハーバルボールは蒸したり、温めることでハーブの匂いがこみ上げてくるので、リフレッシュ効果も高めるためにも、ご自身の好みのハーブを選んでください。
ハーバルボールを使用する際の注意点
- 妊娠中や、妊娠の可能性がある方
- 心臓疾患や、感染症にかかっている方
- 発熱がある方
- 傷やケガなどがある方
上記に該当する場合は、必ず医師の診断を受け、専門家指示のもとご使用下さい。
ハーバルボールはご自身でも簡単に気軽に行えるアーユルヴェーダの自然療法のひとつです。
これからの時代は日々のライフスタイルを見直すことで、病気になりづらい健やかな体づくりを行っていくことが大切です。そのためには、ハーバルボールを活用するなど、体を温め、免疫力を高めていくことをサポートすることがおすすめです。
ぜひ、普段の生活に、紀元前5000年前から受け継がれているアーユルヴェーダの知恵を取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考資料:
健康管理能力検定テキスト, 日本成人病予防協会認定
全国健康管理能力検定協会 監修発行
自然の中で過ごすAyurveda salon GOLDEA 代表 青木久枝、アーユルヴェーダライフアドバイザー。自身の病気をきっかけにスリランカアーユルヴェーダと出会い学ぶこと15年。その素晴らしさを伝えるため、三浦半島で「自然の中で過ごすアーユルヴェーダ」をコンセプトに悩める女性の不調を解決。極上セサミオイルを使用し、オールハンドでの全身マッサージは心から元気になると好評。アーユルヴェーダライフアドバイザーとしても活躍中。
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