ここ数年、白湯を健康法としてとり入れている人が増えています。
自宅で作った白湯を水筒にいれ、外出先にも持参している人もときどき見かけますよね。
この白湯健康法こそ、アーユルヴェーダでも提唱している簡単に取り入れられる健康法のひとつです。
今回は、体も心も元気に若返る正しい白湯の作り方と飲み方について紹介します。
これまで我流で白湯を作っていたという人は、ぜひ参考にしてくださいね。
ただお湯を冷ましただけじゃない!白湯の驚きの効果とは ?
アーユルヴェーダでいう「白湯」とは、ただお湯を冷ましただけの飲み物ではありません。
また、その作り方もお湯を冷ませばいいというものではなく、正しい手順があります。 正しい手順で作られた白湯には、驚くほど体と心に嬉しい効果が期待できます。
その白湯の効果はいくつもありますが、代表的なものは以下のとおりです。
- 新陳代謝アップ
- 冷え改善
- 便秘改善
- ダイエット
- 毒出し
- 美肌
- 心の安定、安らぎ
などが白湯の持つ効果としてよく知られています。
これら白湯の嬉しい作用を効果的取り入れるためにも、これからご紹介する正しい作り方と飲み方を必ず守ってください。
白湯の正しい作り方
アーユルヴェーダでは、白湯は完全にバランスが取れた飲み物とされています。なぜなら、アーユルヴェーダで自然界を構成するといわれる3つの生命エネルギーがバランスよく入り、白湯の中でそれら3つのエネルギーは完全に整っていることから、白湯は完璧な飲み物とされています。
この3つの生命エネルギーとは
- ヴァータ(風)
- ピッタ(火)
- カパ(水)
のことを言います。この3つのエネルギーのことは、アーユルヴェーダを深く学んだことのない人でも聞いたことがあると思います。
なぜ、白湯の中にこの3つの生命エネルギーが入っている必要があるのかというと、「生命」とは、わたしたち人や自然を構成する「全体」のことを指します。 わたしたち人も、心体のいくつものパーツが集まり、ひとつ(全体=生命)になっています。
これらパーツどれひとつ欠けても完全な生命になることはできません。だからこそ、この「全体であるということ=3つの生命エネルギー整っている」ということがとても重要なのです。
アーユルヴェーダでは、この3つの生命エネルギーのバランスが崩れることで心体の調和が崩れ、病気や不調をまねくとされています。ですから、3つのエネルギーが入っている白湯を飲むことで全体性を取り戻し、心体全体の調和を整えることができるとされているのです。
そして、この心体全体の調和が整ってこそ、上記の効果が期待できるのです。
単に、ダイエットや冷え改善を目的にするだけでなく、心体の調和を取ることができる素晴らしい飲み物が白湯なのです。
この完璧な飲み物白湯を作るには、これからお伝えする「正しい手順」で作らることが条件です。
白湯の正しい作り方手順
前書きが長くなりましたが、早速白湯の正しい作り方とその手順を紹介します。
【用意するもの】
- 鉄瓶または、やかん、鍋(土鍋でもよい)
- 水(浄水された水、ミネラルウォーター、 その土地(できれば国内)の水 )
- 白湯を入れる水筒など
【作り方】
- やかんに水を入れて、火にかける。はじめは強火にする。
キッチンに窓のあるお宅では、窓をあけて風通しをよくする。 もしくは、換気扇をまわす。 - お湯が沸騰してきたら、やかんの蓋をはずす。
やかんから湯気が上がるようにし、やかんに新鮮な「風」が入るようにします。このとき、大きめの泡が沸騰するくらいの火加減にしておきます。 - そのままぶくぶくと沸騰した状態で、10~15分ほどお湯を沸かし続けます。
こうすると、「風」「火」「水」の3つのエネルギーが完全に入った飲み物になります。 - 15分ほど経ったら火を止め、飲めるくらいの温度に冷まします。
それから、白湯をコップにうつし飲みます。 一度にたくさん白湯を作った場合は、保温可能な水筒などにうつしておき、後ほど飲んでください。
白湯を作るときの豆知識
白湯を作るとき15分ほど沸かし続けるのは、3つのエネルギーをバランスよくお湯の中に入れるというアーユルヴェーダ的な理由のほかにも体に嬉しい利点があります。 それは、水道水に含まれる塩素や発がん性物質のトリハロメタンが除去できるということです。
発がん性物質のトリハロメタンは、10~15分以上沸騰させ続けることで、取り除くことが可能といわれています。ただ、 沸騰させてすぐはトリハロメタンの濃度は急上昇してしまうので、注意が必要です。
アーユルヴェーダ的にも、それ以外の理由からも、お湯を沸かすときは10~15分以上沸騰させ続けることが大事です。
白湯の正しい飲み方
白湯は、朝に飲むのが一番効果的です。 朝一番に心体を整えることや浄化することに意識を向け、コップ一杯程度の白湯をゆっくりすするように白湯を飲みます。すると、体がじわじわと温まり、体の隅々が目覚め始めます。
体が温まることで消化力も高まりまた、巡りもよくなり、お通じもよくなります。白湯を飲み体を温めることで、体がスムーズに目覚め機能するのです。
また、程よい温かさの白湯を飲むことで、心も和みリラックスすることができます。
朝はその日一日を左右する大切な時間です。一日を元気に過ごすためにもぜひ、朝一番の白湯習慣を取り入れてみてください。
そのほか、朝以外でも一日をとおして白湯を取り入れてください。
- ゆっくりとすするように飲む
- 食事のあとに飲む(食事と一緒には飲み物は飲むのはおすすめしません)
- トイレに行ったあとにコップ一杯程度飲む
- 就寝前に飲む(飲みすぎはトイレが近くなり夜中に目覚めるのでおすすめしません)
白湯がいくら体によい飲み物だからといっても、飲めば飲むほどその効果を得られるというわけではありません。
何事も程よく適量を飲んでください。1回にコップ一杯程度(150~200cc)が適量です。
朝一番に白湯を作るのが面倒という人は、前日の夜に作り、水筒に入れて保存しておくのがよいです。
白湯を作るときの注意点
一度作った白湯が冷めてしまった場合、その白湯を2度沸騰するのはNGです。
何度も沸騰させると白湯の中のエネルギーバランスが崩れ、調和された完璧な飲み物ではなくなってしまいます。 白湯が冷めたら、もう一度新しく作り直しましょう。
白湯は心体の調子をはかるバロメーター
アーユルヴェーダ的白湯の正しい作り方と飲み方は参考になりましたか?
体全体のバランスを整えるのに最適な飲み物「白湯」を飲むことで、美肌作りやダイエット、冷え改善、代謝アップ、便秘改善・・・など、嬉しい効果がたくさん期待できます。
朝一番の白湯がおすすめと紹介しましたが、朝一番に飲むことで不思議とその日の体調が分かるというのが白湯のすごいところです。 調子がいいときは白湯が美味しく感じ、あまり調子がよくないときは不思議と苦く感じるなど、いつもより美味しくないと感じてしまいます。
筆者体験談でもありますが、実際に白湯は、その日の心と体の調子をはかるバロメーターにもなるのです。
心と体に効果的とされる「白湯」正しい作り方と飲み方を参考に、白湯を生活の中に取り入れて、健康にお役立てくださいね。
参考: 蓮村誠 (2010,2,17) 『白湯 毒出し健康法』PHP文庫 西川眞知子(2011,7,25) 『これ一冊できちんと分かるアーユルヴェーダ』マイナビ
アーユルノート編集メンバーです。アーユルノートを通じ、多くの方と一緒にアーユルヴェーダについての学びを深め、アーユルヴェーダを実践中しています。メンバーは、アロマやメディカルハーブに造詣が深く、アロマ・ハーブについても発信しています。スタッフが実際に実践し、よかったこと・情報・簡単にできることを紹介します。
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