アーユルヴェーダやヨガを取り入れることで、あなたは何を得たいですか?
健康になること?
人間関係をよくしたい?
理想の生活を叶えたい?
人によってさまざまな思いや目的があると思います。 その想いを叶えるためには、まずは自分が持って生まれた体質を知ることが大切です。
なぜなら、あなたの求めている幸せの形は、あなたに合ったものでなくてはならないからです。
本来、体質を無視したままで、心と体両方の健康を整えることや、快適なライフスタイルを叶えることはとても難しいものです。
ヨガは単なる健康になるためのエクササイズではなく、古くから伝わる『人生を幸せに生きるための叡智』です。 詳しくは、「ヨガとアーユルヴェーダの深い繋がりと違い」をご参照いただくとよいのですが、ヨガは心と体を健やかに整え、あなたらしい毎日をつくる力を貸してくれます。
2019.10.28
ヨガとアーユルヴェーダの深い繋がりと違い
インドには心身の不調へアプローチする際に、人が生まれ持った体質や個性により治療法が変わる、古代から伝わる伝統医学があるという記事を読んだ...
アーユルヴェーダでは、人には生まれ持った体質があるとされ、それは一生変わらないその人独自の個性ともいい換えられます。
アーユルヴェーダは、この生まれ持った体質を重要視します。 性別、容姿など、ひとりとして同じ個性を持つ人はいません。それはその人独自のものだからです。
あなたが理想とするライフスタイルを充実させていくため、アーユルヴェーダに基づく体質を知り、その体質に合ったヨガを取り入れる方法を知りましょう。
アーユルヴェーダは2つの要素で「今」をみる
アーユルヴェーダではそれぞれ個人が持つ体質を重要視しますが、その個人差もふたつの要素に分けられます。
生まれ持った性質である遺伝的な要素=プラクリティ 生活習慣や環境によって形成される後天的要素=ヴィクリティ このふたつの要素から個人の「今」の状態をチェックしていきます。
生まれ持った性質であるプラクリティが、バランスよくはたらいている場合は、心身の健康状態がよく、後天的要素のヴィクリティが増えすぎてバランスが崩れている場合はプラリティから外れた不自然な状態と考えます。
増えすぎたヴィクリティの要素を沈め、バランスを整える生活の仕方、生き方を提案しています。 特に病気を患った場合、その症状も完治の有無もさまざまです。
治らない病気や持病として長く付き合っていかなければならない病を抱えている場合、そのような状況に陥ったときの生き方の知恵もアーユルヴェーダやヨガでは説いています。
生命エネルギー「ドーシャ」
アーユルヴェーダでは、生命はただ肉体の機能の働きだけで生きているのではなく、その命を動かしている「生命エネルギー」があると考えられています。 この生命エネルギーをドーシャといい、心と体の基本的な性質を表す3つの体質からなります。
この3つの体質ドーシャは、心と体の働きに大きく影響し、季節・年齢や時間帯(1日の中でもその時間帯によっても変動する)によっても変動し、また個人の生まれ持った体質や生活パターン、環境によっても異なります。
ドーシャには心と体を支える基本的な性質を示す3つの体質があります。
- ヴァータ(空・風)
- ピッタ(火・水)
- カパ(水・土)
風のエネルギー「ヴァータ」は、体内では運搬、循環、細胞を分解する働きを制御しています。
火のエネルギー「ピッタ」は、火と水の元素からなっており、代謝や消化を制御しています。
水のエネルギー「カパ」は、安定性、体力を維持し、細胞を作る働きを担っています。 カパは人体の栄養素などをくっつけて維持し、ピッタは胃の中に入ってきた食べ物を血や肉に変換し、ヴァータがその栄養を体全体に送り、老廃物を体外に排出するという役割をしています。
この3つのバランスが崩れると、病気になる可能性があると考えられています。
そして、これら3つ体質は、体だけでなく心の状態にも影響を及ぼずとされています。
3つのドーシャのバランスが整っていれば、心身の調和が保たれ、健康を維持できます。
しかし、ドーシャは時間帯や環境などで変動しやすく、またドーシャが乱れることで起こるストレスが大きな要因となり、健康を損ない、病気の種をつくるとされています。 特に、生まれ持ったプラクリティの影響が大きく関わるので、心と体の健康を維持するためには、まずは自分の体質を知り、自分に合った方法を取り入れることがとても重要です。
生まれ持った本質プラクリティの影響
生命エネルギー「ドーシャ」にヴァータが多い人を「ヴァータ体質」とし、この体質の人はヴァーダがアンバランスになりやすいという特徴があります。
ピッタがアンバランスになりやすければ「ピッタ体質」、カパなら「カパ体質」と分類され、大抵は2種類のドーシャがアンバランスになりやすい複合型の体質の人が多いのが特徴です。
ストレスの影響に注意
ドーシャの乱れる原因は上記の生まれ持ったプラクリティの影響が大きいですが、そのほかにも時間帯・季節・生活パターン・環境・人間関係などによって抱えるストレスが大きく影響します。
例えば人間関係でいうと、家庭内、学校、職場、友人関係、さまざまな環境で暮らす中、毎日多くのことを感じ過ごしています。 楽しいことも、幸せなこともたくさんありますが、反対に辛いことや苦しいこともあります。 そのどれもが必要な経験となり人生に彩りを与えてくれています。
ですが、さまざまな環境下でストレスが過剰になると、心と体を疲弊していきます。
ドーシャはこのすべての影響を受け、揺れ動く性質を持っています。
心が疲れてしまったり、病気になったりするとストレスが原因で不調が出てしまいます。すると、生活に支障が出てしまい、幸せで安定した生活を叶えることが難しくなるのです。
心と体を健やかに保ち、幸せな暮らしを維持していくためには、持って生まれたプラクリティに合ったバランスを取り戻し、心と体を整えていくことが大切です。
アーユルヴェーダではこの乱れたバランスを正常にし、心と体のバランスが整った安定した状態を維持するために、それぞれの性質と今の状態に考慮したアプローチを行なっていくのです。
ドーシャのバランスを整えるヨガの役割
アーユルヴェーダを取り入れて心身の健康と幸せを目指す生き方を生活に取り入れるのなら、ヨガのアプローチである「体操・呼吸法・瞑想」は切り離すことができません。 ヨガのアプローチはアーユルヴェーダ的生活を支える重要な役割をしてるのです。
乱れたドーシャのバランスを安定させるためには、心と体のバランスを整えるヨガのアプローチを日常に取り入れていくことが大切です。
上記でもお伝えしたように、ヨガのアプローチは体だけでなく、心のバランスを整えるためにも適しています。 楽しいこと、気持ちが高揚することも、過剰となれば疲れを生み、怒りや辛さも過剰となれば精神に悪影響を与えます。充実した仕事を得ていても、自分の限界を超えて労働過多になってしまうと体を壊しかねません。 このように、ポジティブなこともネガティブなことも過剰さは時にバランスを崩してしまうのです。
一般的に、幸せを感じるには辛いことや悲しいことがなく、誰にでもわかりやすい高揚感が必要だと思われがちですが、本質はそうではありません。
幸せの定義は人により違いがありますが、本質は心身が健やかであることです。 また、生きているという当たり前の感覚を喜べる心の「純粋性」を感じられることだといえます。 簡単にいえば、心の奥深くから「安心して生きられること」ではないでしょうか。
この本質を感じるためにはヨガの体操や呼吸法、瞑想を取り入れることにより、心身を安定させ、必要な体力を維持し、ストレスに負けない心身を養っていくことが大きな手助けとなります。
そのヨガ、あなたに合ってますか?
日々、多くの人と接しヨガを指導するうえで感じることは、その人が好んで行なっているヨガのスタイルが「その人の体質に合っているのかどうか?」ということ。
本来、わたしたちの心身の健やかさを手助けするはずのヨガを行なうことで逆に、疲れてしまう・・・なんてことはありませんか?
また、「ヨガをしなければ気持ちが楽にならない」「このスタイルのヨガでなければヨガではない」「ヨガとはこういうものだ」という頑なな執着心にはまってしまい、無意識に自分自身を苦しめている人も多く見受けられます。 それは、ヨガがその人を苦しめているわけではなく、選んでいるヨガのスタイルが、その人の元々持っている体質には合わないのかもれません。 もしくは、今の心身の状態に合っていない可能性もあります。
そんなときは、今とり入れているヨガのアプローチが、快適で心身を安定させてくれているか、または疲れや感情のアップダウンを激しくさせていないか、一度立ち止まり、向き合ってみてください。
体質に合ったヨガを選ぶ
現代ではヨガの種類も枝分かれしており、どのヨガが自分に合ったものなのかを判断するのが難しくなっています。
激しく運動量の多いもの、優しくゆるやかなもの、リラクゼーション要素の強いものなど、目的別に選んでいる方も多いのではないでしょうか。
あなたがすでに、アーユルヴェーダを生活に取り入れているなら、ヨガもや今のあなたの状態に合ったものを取り入れることが重要です。状態によって必要なものとそうでないものが異なるからです。 よかれと思って選んだヨガのスタイルが過剰となる可能性もあります。 逆に、体力や心身の状態を乱してしまわないためにも、そのヨガをすることによって心身が安定するかどうか、を目安にしましょう。
疲れて疲労感が取れないものや、そのヨガをしていないと落ち着かないと執着心を生むもの、~ねばならない、というような固執した感覚にとらわれてしまうものなどは注意しましょう。
アーユルヴェーダもヨガもあなたらしい人生を手助けしてくれるもの アーユルヴェーダやヨガを生活のすべてに取り入れるのは難しいかもしれませんが、自分のライフスタイルの中に少しずつでも取り入れることができたのなら、それは人生の宝となり得るでしょう。 なぜなら、アーユルヴェーダもヨガも「人生を幸せに生きる」智慧を伝えているからです。
自分の心身の状態を自分自身が知ることができれば、それは大きな安心と信頼へ変わります。その恩恵は計り知れません。
心身の状態を知るには、そのときの体質、個性、季節や時間帯、体調などを見極めながら「今の自分には何が必要?」と問いかける習慣をつけることをおすすめします。
また、アーユルヴェーダやヨガのアプローチの中でも自分のライフスタイルに合うものや無理なく続けやすいものからとりいれ実践し、生活を整えることです。
体質に合ったあなたらしい「幸せ」を築いていこう
今もし、あなたがヨガを取り入れているなら、そのヨガに満足しているでしょうか。 まずは、自分の個性や体質に興味を持つことからはじめてみましょう。
アーユルヴェーダの3つの体質「ドーシャ」を知り、取り入れることで、今まで気付くことのなかった幸福感や安心感をもたらしてくれるかもしれません。
世間のよい・悪い、正しい・間違っている、などの基準ではなく、自分の体質に合わせて生活を変えることで、今よりも安らぎに満ち、幸せを感じやすい生き方の選択肢が増えることでしょう。
次回からは、体質別により詳しくヨガのアプローチ法をお伝えしていきます。
「マナヨガ」代表。20代の頃、ストレス過多で喘息が再発。心身の調和こそ健康だと痛感し、ヨガセラピーを学び始める。また姿勢と歩き方から改善し楽な体へと整える“マナメソッド”を発案。現在、名古屋、東京を行き来しながら本来の自分らしさを引き出すレッスンを行う。フルオーダーメイドで作る個人レッスンは、キャンセル待ちが出るほど定評がある。
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