この頃体の不調を感じる、気持ちが落ち着かない、気分が沈みがち、病院へ行くまでもないけれど、心や体の不調を感じる・・・
そんなとき皆さんはどうしてますか?

気軽にできる運動や自宅でできるセルフケア方法を探し、試してみるという人もいるかもしれません。しかし、その運動やケア方法は自分の体質や状態に合っていますか?

合っているかどうか分からないものをそのまま続けていませんか?

今回は、実際に個人の体質に合わせてどんなケア方法を取っていくのかをアーユルヴェーダとヨガの両方の観点からご紹介していきます。

中でも、アーユルヴェーダの「ピッタ(火のエネルギー)」の特徴と体質に合ったヨガの方法に焦点をあててご紹介していきます。

アーユルヴェーダ的体質別にアプローチが変わる

ヨガとアーユルヴェーダの深い繫がり」と「ヨガをやる前にアーユルヴェーダ的体質を知る理由」では、自分の体質を知り、それに合うヨガのアプローチを行う重要性を紹介させていただきました。

なぜなら、人には体質も性格もそれぞれに個性があり、誰ひとりとして同じ人はいないからです。アーユルヴェーダはその個性を重要視し、生まれ持った体質に合わせて健康を維持する方法を取り入れていく伝統医療です。

環境の変化がドーシャの乱れに影響する

アーユルヴェーダでは、生まれ持った体質に合わせてバランスが整っていると、心身の健康が維持できると考えます。

しかし、社会生活の中で伴うストレスや生活の乱れからバランスを崩し、もともと持っている体質とは異なる状態になっている人がたくさんいます。

例えば、中肉中背でスタイルがよく、行動的でリーダーシップが得意なピッタ体質の人が、日常のストレスなどでバランスを崩し、暴飲暴食を繰り返し体重が増え、肥満な体型になり、日々も怠惰で何事にもめんどくさがる傾向が出ているとします。

この状態は、ピッタのポジティブな性質が影を潜め、カパのネガティブな性質にバランスが崩れているといえるでしょう。

3つのドーシャであるヴァータ、ピッタ、カパにはポジティブな側面、ネガティブな側面両方を併せ持っています。ポジティブが良い、ネガティブが悪いという両極の考え方ではなく、すべてバランスが整っていることが大切です。そのため、過剰になりすぎている性質を落ち着かせ、沈静化することが必要です。

上記のような場合、全体のバランスを取り戻すためには、過剰になっているカパの性質を落ち着かせ、生まれ持った体質のバランスを取り戻してあげるアプローチが必要となります。

このように、本来持っている体質とは違うアンバランスな状態を安定したバランスに戻すために、アーユルヴェーダでは生まれ持った体質と今の状態をチェックし、それに合ったケア方法を取り入れていきます。

今回は、ピッタという火のエネルギーの特徴をふまえ、心身の健康を維持するためのヨガ的方法を説明していきます。

「ピッタ」火のエネルギー

アーユルヴェーダ「ピッタ」の画像

ピッタ体質の特徴は情熱的で熱性があります。体格は中肉中背で、皮膚は黄色がかっていて弾力があり、そばかすが目立つ場合もあります。

ピッタは火のエネルギーなので、体内にも熱がこもりやすく、暑さに弱くまた寒さにも弱く汗をよくかく傾向があります。消化機能が強く滅多に便秘をすることはありません。

心には闘志を秘め、何事にも情熱的に取り組みます。完璧主義さや知性が際立っているので、リーダー気質であり、ときに見栄っ張りで対抗心が現れることがあります。誰もが憧れる、ついていきたいと思うような気質が揃っているのが特徴です。

ピッタの特徴~バランスを崩すと怒りっぽくなる

しかし、日々のストレスや生活の乱れからピッタのバランスが崩れると、怒りっぽくなり短気さが目立ちます。他人に対して批判的になったり、物事にこだわり完璧主義に拍車がかかると、周りに敵をつくりやすくなってしまう傾向があります。

体に現れる不調としては、汗っかきになり皮膚にトラブルが起こりやすくなります。湿疹や蕁麻疹はピッタが過剰なときに起こりやすい症状です。

ピッタの火のエネルギーは消化器能に関わるので、胃腸系のトラブルや下痢、口臭や体臭が強くなる場合もあります。

バランスを崩したときは、疲労感や孤独感も増しやすいので、過剰になったピッタのエネルギーのバランスを取り戻すことを意識していきましょう。

ドーシャのバランスをとるためのヨガ

ドーシャのバランスの乱れを整えるために、ヨガを取り入れてみましょう。過剰になったドーシャの乱れを整え、心と体の安定したバランスを取り戻していきます。

その方法はさまざまです。呼吸法、瞑想法、体操(アーサナ)などの種類があり、ドーシャの乱れや生まれ持った体質によって、その人に合ったものを組み合わせることが大切です。

今回はピッタが乱れたときにバランスを整えやすいヨガのポーズを順にご紹介しています。どれも簡単なものなので、1日の終わりや、自宅でくつろいでいるときなどに行ってみてください。

呼吸と体操で心身全体を整える

これからご紹介するヨガのポーズを行うときは、「呼吸」も意識しならがら行っていきます。

単純に体を伸ばすだけの運動であれば、ストレッチと同じです。
ヨガは深く意識的な呼吸を動きに合わせて丁寧に行うことで、体と心のバランスをとっていくことを大切にしていきます。

呼吸は今の感情の状態があらわれます。

焦っているときや緊張しているときは呼吸が浅く早くなり、くつろいでリラックスしているときは深くゆったりと呼吸をしています。この状態は、普段無意識のうちに起こっていますが、呼吸は意識すれば自分でコントロールすることができます。

呼吸と感情のつながりを意識し、呼吸をコントロールすることによって気持ちを安定させていくことが重要です。

まずは、「呼吸」の練習しよう !

鼻呼吸している女性の画像

呼吸の練習をしていきましょう。気持ちを落ち着かせたいとき、集中力が欲しいときなど、意識してやってみましょう。

体を動かす場所がないときや時間がないとき、どこにいても簡単に行うことができるのが「呼吸を整えること」です。

【ポイント1】
鼻呼吸で行います。

【ポイント2】
息を吸うときは体を楽にして肺いっぱいに息を入れるように、胸、胸の横、背中の前後左右を膨らますイメージで、深く長く息を保ちましょう。

【ポイント3】
息を吐くときはお腹を凹ませて、体内の二酸化炭素を吐き切るように、少しだけ力強いイメージで深く長く息を保ちましょう。

【ポイント4】
吐く息は、吸う息よりも長くなるように意識しましょう。一気に吐いてしまわず、息の太さを一定に保ちながら吐ききります。

この呼吸法を「胸式呼吸」といいます。慣れるまでは胸とお腹に軽く手を置き、呼吸とともに動く胸やお腹の感覚を確かめながら行ってみましょう。

呼吸と動きを合わせて行うヨガのポーズ

呼吸のコツがわかったら、呼吸に合わせて体を動かしてみましょう。無理に体を伸ばす必要はありません。気持ちがいいと思う範囲で行うようにしましょう。

また、ポーズをとっているときに呼吸がしにくいと感じたら、ポーズの強度を緩めるようにしましょう。

常に呼吸が深くできているかどうかを目安に動いていくことを心がけていきます。

体側を伸ばすポーズ(パリブルッタ・ジャヌシルシャ・アーサナ)

1.床に座ります。左脚を横に伸ばし、右脚は膝を曲げてかかとを会陰に引き寄せます。
※脚が硬くてつらいときは、腰をまっすぐ伸ばしやすいように、左脚の膝を曲げて調整するか、開く脚の角度を狭くして調整してみましょう。

2.両手を体の前の床につき、上半身が丸まらないように伸ばします。

パリブルッタ・ジャヌシルシャ・アーサナ説明画像1
筆者撮影

3.左手で左足の親指を握ります。届かない場合は体が安定するように、脚の上におくか、膝を曲げましょう。

パリブルッタ・ジャヌシルシャ・アーサナ説明画像2
筆者撮影

4.右手を後頭部に起き、息を吸いながら両胸を正面へ向けます。

5.息を吐きながら上半身を左脚の方向へ倒していきましょう。

パリブルッタ・ジャヌシルシャ・アーサナ説明画像3
筆者撮影

6.右肘は後方へ開き、背中が丸まらないように注意してください。深くゆっくりとした呼吸で10呼吸キープします。

7.息を吸いながらポーズを緩め、息を吐きながら最初の姿勢に戻ります。

8.反対側も同様に行います。

ねじりのポーズ(アルダ・マッチェンドラ・アーサナ)

1.床に座り、両脚を伸ばします。

2.右膝を曲げます。

3.右足先を左脚の外側へ置き、左手で右脚を抱えます。

アルダ・マッチェンドラ・アーサナ説明画像1
筆者撮影

4.右手はお尻の後ろへおき体を支え、上半身を上に引き伸ばしましょう。

アルダ・マッチェンドラ・アーサナ説明画像2
筆者撮影

5.息を吸います。

6.息を吐きながら上半身を左方向へねじっていきます。

7.首からねじり、順番に下へとねじるようにしましょう。

8.余裕のある人は、左肘を右膝の外側へ引っ掛けてねじりの強度をあげましょう。

アルダ・マッチェンドラ・アーサナ説明画像3
筆者撮影

9.息を吸うタイミングでポーズを緩め息がしやすいようにします。息を吐きながらねじりを強くし、ポーズを深めます。

10.呼吸が深く心地よくできるポーズの強度を保ちながら、10呼吸ほど維持しましょう。

11.終えたら吸う息のタイミングでポーズをほどき、吐く息で楽な姿勢をとり休みます。反対側も同様に行います。

ハトのポーズ(カポータ・アーサナ)

1.床に座ります。正座の状態から左膝を前方へ滑らせて、右脚は後方へ伸ばします。

2.左のお尻が浮いて、バランスが悪い場合はお尻の下にクッションなどをひいてください。

3.両手は体の前方へつき、バランスをとりましょう。

カポータ・アーサナ説明画像1
筆者撮影

4.息を吸いながら両手で床を押し、上半身を伸ばしていきます。

5.息を吐きながら伸ばした姿勢を緩め息を吐き出します。

6.しばらく繰り返し、体をならしていきましょう。

7.右脚の膝を曲げ、右手で足先をつかみます。

カポータ・アーサナ説明画像2
筆者撮影

8.この時点で余裕のある人は、上半身を前方に戻します。つらい場合はできる範囲まででOKです。

※ここからは体の硬さに応じてすすめてください。無理をする必要はありません。

9.右足先を右肘に引っ掛けます。

カポータ・アーサナ説明画像3
筆者撮影

10.息を吸いながら、上半身のねじりと膝を緩めます。

11.息を吐きながら足先をお尻の方へ引き寄せます。

12.しばらく繰り返し体をほぐしましょう。

13.体が慣れてきたら、右手と左手を頭の後ろで組み、10呼吸維持しましょう。

カポータ・アーサナ説明画像4
筆者撮影

14.終えたら吸う息でポーズをほどき、吐く息で楽な姿勢に戻り、休みます。

「ポイント!」ゆったり動いてクールダウン

ピッタは火のエネルギーを持ちます。

バランスよく働いているとき、体内では消化を促し熱を生みますが、バランスが崩れると火のエネルギーが過剰となり、消化器系に負担を起こすことや、湿疹などの皮膚トラブルが起こりがちです。

また、バランスの崩れが心にあらわれると短気になり、他人が気になり批判意識が強くなるなど、イライラすることが増えやすくなります。

バランスを整えるためには、火の過剰なエネルギーを鎮めるためのクールダウンが必要です。

ポーズの完成度はあまり気にせず(完成度にこだわりすぎると短気の性質があらわれやすくなりがち)ゆったりとした呼吸に合わせて体を流れるように動かし、ポーズをとっていきましょう。

すると、気持ちが落ち着き、体が緩み、楽になっていきます。

「まとめ」ピッタの性質が強くあらわれているときこそ、クールダウン

ピッタの性質が強くあらわれているときは気持ちも高ぶっているので、激しいアトラクションや、運動などで発散したくなります。

燃えるようにテンションが上がっているときに同じテンションで取り組める運動は、確かに気持ちがいいものですが、火の性質をさらに燃え上がらせてしまう可能性があります。

疲労感が出たり、気分の浮き沈みが出る場合もあるので、バランスを整えるためにはクールダウンを意識していきましょう。

体を使って心を安定させると、安心感、健やかさ、幸福感を感じやすいですが、体を動かす前に、まず自分の体質や今の状態を知り、そのときの状態にあったヨガを選び実践することが大切です。

充実した毎日のためにヨガを行うのですから、より元気に内側からエネルギーが溢れるアプローチを選び、楽しんでチャレンジしてみてくださいね。


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