ヴァータの特徴と体質に合ったヨガ方法

ヨガ

アーユルヴェーダと聞くと、日本だはまだ美容要素の強いマッサージ法などのイメージが強く持たれているかもしれません。しかし本来のアーユルヴェーダとは、古代インドから伝えられているインドの伝統医学のことです。

前回に続き、実際に個人の体質に合わせてどんなケア方法を取っていくのかをアーユルヴェーダとヨガの両方の観点からアプローチ法を見ていきます。今回は、アーユルヴェーダの「ヴァータ(風のエネルギー)」の特徴と体質に合ったヨガの方法に焦点をあててご紹介していきます。

参考記事:体質別のヨガシリーズのこれまで
「ヨガとアーユルヴェーダの深い繫がりと違い」
「ヨガをやる前にアーユルヴェーダ的体質を知る理由」
「ピッタの特徴と体質にあったヨガ方法」
「カパの特徴と体質にあったヨガ方法」

ヴァータの特徴

 

ヴァータは「風・空、動静」のエネルギーに属します。性質としては「軽い、冷たい、乾、粗、動」という心身の特徴を持っています。

身体的には、体格は華奢で痩せ型の方が多く、身長は低いか細身の高身長の方が目立ちます。目は小さく鼻が鷲鼻で皮膚乾燥しやすく、歯並びは不揃いなことが多いでしょう。
また筋肉質なタイプではないので、血管が目立ちやすいことがあります。

また、ヴァータは神経の伝達、心臓の機能、呼吸や筋肉組織の働きを制御しています。

ヴァータのバランスが整っているとき、乱れるとき

ヴァータは風の軽やかなエネルギーを司っています。よって特に乱れやすく、インターネットが発達し情報過多になっている現代社会においては、不安感などを抱きやすく、気持ちが不安定になりやすい傾向があるので、ヴァータのバランスが乱れやすくなっています。

ヴァータのエネルギーが調和されているときは、機敏で活発であり、体が軽く、何事においても頑張りが効く体力があります。しかし、ストレスなどによりバランスが乱れると、便秘や冷え性、乾燥肌に悩まされやすく、頭痛や腹部の膨張感が取れないなどの不調が出てきます。すると、腰痛などの体の痛みや、不眠症、循環器系統のトラブルや、血管、神経系統の疾患などになりやすくなります。

好奇心が強く活発さが特徴

ヴァータ体質の人の特徴は、行動が素早く敏感です。敏感さは好奇心となり、新しい物事に順応したり、受け入れていくことも得意とします。とても創造的な性格をしています。理解力も高いので、順応性があり、環境の変化を楽しめる面があります。

しかし、ヴァータのバランスが崩れてしまうと、長所であった創造性が気まぐれな飽きっぽさとなり、衝動的で、不安や恐怖心としてストレスを感じやすくなってしまいます。

新しい物事への対応力や創造力はヴァータのよい特徴と言えるでしょう。しかし、持続性や粘り強さはあまりないかもしれません。

ヴァータの性質の大きな特徴となる瞬発力と好奇心を生かすことができれば、物事を推し進める力となり、仕事や家庭内での停滞している問題に新しい風を吹き込み、事を動かす力となってくれるでしょう。

ヴァータにもっとも必要なのは「静」の時間

ヴァータ体質、またはヴァータが乱れてバランスを崩している人は、とにかくジッとしていられません。常に行動しているか、体はゆっくりしていても頭(思考)が騒がしく、常に「スイッチオン」の状態になっているのでゆっくり休むことができにくくなります。

ヴァータヴィクリティ(注)の状態になると、心配性、不安感が離れず、リラックスすることができないのです。寝つきが悪い、寝ても眠りが浅く物音で目が覚めてしまう、などの症状が出てきたら、ヴァータが乱れている可能性があります。

ヴァータのバランスが乱れているときは、思考中毒なほどに頭の中に心配事や不安なことが巡ってしまい、エネルギーが奪われがち。その上、さらに体を使って動き回ってしまうと、エネルギーが枯渇してしまいます。
こんなときこそ、ヨガの体操で気持ちを沈めリラックスすることが大切です。

(注)ヴィクリティとはもともとの体質ではなく、今現在の生活習慣などによってドーシャが乱れバランスを崩した状態のこと。

激しい運動には注意しましょう

ヴァータ体質の方やヴァータのバランスを崩しているときは、常に忙しく動き回りがち。さらに健康のためにと、運動をする場合は注意が必要です。

忙しない気持ちの動きや行動癖が出やすいヴァータは、動きの機敏なスポーツや快活さを楽しめる娯楽に惹かれがちですが、常にエネルギーを使っている状態にさらにエネルギーを消耗する行動をすると、疲れやすくなり、イライラするような不快な感情を感じやすくなってしまいます。よって激しい運動や娯楽は避けたほうがよいでしょう。

そんなときは、意識的にゆっくりとした動作と呼吸を取り入れた運動を選びましょう。
おすすめはウォーキングや、ヨガ。ヨガといっても、激しい筋力トレーニングを取り入れたものではなく、リラクゼーション性の高い種類のヨガを選ぶようにしましょう。

気持ちが安定し、心身の深いところからリラックスすることができるよになり、バランスが整います。ヴァータに必要なのは『ペースダウン』という意識です。

ヴァータのバランスを整えるヨガ方法

ヴァータのバランスを整えるには、ヨガのポーズを「焦らずに、ゆっくりした動作」で行うことと、「呼吸を深くゆっくりと意識」して行うことがとても大切です。

ヴァータにおすすめなのは「前屈系」のポーズ。体を折り曲げて上半身と下半身を引き寄せる体制は心身が落ち着きやすいと同時に、自律神経の乱れから便秘になりやすいヴァータの心強い味方です。リラクゼーション効果が高く、夜寝る前に行うのがよいでしょう。

ヴァータヴィクリティのときこそ「呼吸」を意識する

ヨガのポーズは必ず呼吸を意識しながらポーズの動きと合わせて行うことが大切です。特にヴァータが乱れているときには、呼吸を意識することがより重要になります。

ポイントは

  • ゆっくりと深くすること。
  • 吸う息はリラックスして胸や背中回り、肋骨を前後左右に広げるような意識。
  • 吐く息はお腹から押し出すようにして。

詳しいやり方は前回の記事「ピッタの特徴と体質にあったヨガ方法」で説明した呼吸の練習方法をチェックしてください。
慣れてきたら、呼吸とポーズの動きを丁寧にシンクロさせて動けるようにしていきましょう。

ガス抜きのポーズ(パヴァナ・ムクタ・アーサナ)

  1. 仰向けの姿勢で寝て、両ひざを立てます。
  2. 両腕は体側へ下ろし、リラックスしてゆっくり深い呼吸をしましょう。
  3. 息を吸いながら両膝を抱えます。
  4. 息を吐きながら、抱えた両脚を胸に引き寄せながら、お腹から息を吐き出していきましょう。
  5. 再び息を吸います。お腹をリラックスさせ、胸に息をたっぷりと入れるため、抱えていた両脚を少し引き離し、息がしやすいスペースを作ります。
  6. 吐く息はお腹から。脚を引き寄せてポーズを深めます。
  7. 吸う息を胸へ。吸う息がしやすいようにポーズを緩めます。
  8. 10呼吸程度ゆっくりと続けましょう。

片脚前屈のポーズ(ジャヌシルシャアーサナ)

  1. 床に座った姿勢で行います。
  2. 左脚は前方へ伸ばし、右脚は膝を曲げて横へ倒し、脚の裏を左内腿側へ。
  3. 両手を左脚の下ろせる位置へ下ろします。
  4. 呼吸をゆっくり深く整えましょう。
  5. 息を吸います。
  6. 息を吐きながら上体を倒し、お腹を脚に近づけていきます。
  7. 吸う息は力を抜いて胸、肋骨、背中あたりを前後左右に膨らますように深く息を入れていきます。
  8. 吐く息は、お腹から息を体外へ押し出すようにしていきましょう。
  9. 呼吸をゆっくり深くするように意識しながら、呼吸をリズムを整えます。
  10. 呼吸がしづらい場合は、両腕を方の位置辺りまで下ろして肘を曲げ、胸周りに余裕を作りましょう。
  11. 10呼吸程度キープしたら、吸う息で体を起こします。
  12. 反対側も同様の手順で行いましょう。

現代人はヴァータが乱れやすい

情報過多で毎日のスピードが早すぎる現代人は、常にヴァータの性質が乱れやすくなっているといっても言い過ぎではありません。

意識的にゆっくりとした動作を心がけたり、深い呼吸を意識した時間を持つだけでも心身は安らぎます。

普段自分が慌ただしく動いている自覚はあまりありません。そして、生活のスピードをゆっくりと落としてしまったら、仕事についていていけない、頑張っている周りの同僚や仲間たち、友人たちに引き離されてしまう、そんな焦りや不安感が拭えなくなり、今の生活パターンを変えるのをためらうこともあるでしょう。

そんなときこそ一旦落ち着いて呼吸を整えましょう。

ヴァータは軽さゆえに乱れやすい性質を持ちますが、バランスを取り戻すことも比較的簡単です。毎日の中で、少し慌しい気持ちだな、焦っているな、注意力散漫だなと思ったらヴァータの乱れを整えることを意識してみましょう。

バランスが整ったヴァータはとても明るく快活に毎日を威力的に過ごすことができます。
ヴァータのよいところを引き出して、心地よい毎日を過ごしましょう。

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マナヨガuemura yuuka(ゆうか)

マナヨガuemura yuuka(ゆうか)

「マナヨガ」代表。20代の頃、ストレス過多で喘息が再発。心身の調和こそ健康だと痛感し、ヨガセラピーを学び始める。また姿勢と歩き方から改善し楽な体へと整える“マナメソッド”を発案。現在、名古屋、東京を行き来しながら本来の自分らしさを引き出すレッスンを行う。フルオーダーメイドで作る個人レッスンは、キャンセル待ちが出るほど定評がある。

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ayur-notes編集スタッフ

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