アーユルヴェーダに基づくアプローチを交え、ヨガを日常に活かし、心身の健康をよりよく保っていく方法を、4回に渡りご紹介してきました。引き続き、個人の体質に合わせてどんなケア方法を行っていくのかをアーユルヴェーダのアプローチを生かしたヨガの観点でご紹介していきます。

シリーズ最後となる今回は、アーユルヴェーダの「カパ(地のエネルギー)」の特徴と体質に合ったヨガ方法をみていきます。

参考記事:体質別のヨガシリーズのこれまで
「ヨガとアーユルヴェーダの深い繫がりと違い」
「ヨガをやる前にアーユルヴェーダ的体質を知る理由」
「ピッタの特徴と体質にあったヨガ方法」
「ヴァータの特徴と体質に合ったヨガ方法」

カパの特徴


カパの心身の特徴は、安定感と重さです。とても平和主義で落ち着いた物腰であることが特徴です。

カパの身体的特徴は、体格がよく、筋肉質でがっしりとした骨格をしているか、または、ぽっちゃりとしてふくよかです。顔立ちは目が大きくまつげが濃く長く、とても魅力的です。髪は黒々としており、ツヤがあり、白髪はあまりありません。

肌は白く滑らかで、どちらかというと冷たいでしょう。体格がどっしりとしているため肉体位労働や運動に耐えうる持久力があるのも特徴です。

カパのバランスが整っているとき、乱れるとき

カパがアンバランスになってしまうと、だるさや眠気が取れず、肥満しやすい傾向にあります。またアンバランスさが出るとアレルギー反応としてあらわれやすく、アレルギー性鼻炎や気管支炎、喘息など呼吸器疾患にかかりやすくなる可能性があります。

反対にカパのエネルギーが調和されているときには、体力がみなぎり、持久力があるのが特徴です。辛抱強く、物事を着実にやり遂げる力も発揮できます。

カパは慈悲深く献身的

カパのバランスが整っていると、とても慈悲深く献身的な態度で周囲に対して穏やかさと落ち着いた姿勢で接します。仕事などの場合、カパの人がいるグループは、安定したカパの性質の人に見守られることから、安心感を得られるでしょう。

カパ体質の人は争いを好まず、平和主義です。物事に対して不安感が強い人や、日々変化の多い日常を過ごしている人は、カパ体質の人、またはカパのバランスが整っている人と接すると、穏やかさと寛大さに癒されることも多いはずです。

また、穏やかな性質であるため話し方もゆっくりで動作も落ち着いています。「落ち着き」はときにのんびりした動作や行動の遅さとなってあらわれるため、物覚えなども早くはありません。その分、理解したことはしっかりと記憶し、確実にこなしていくでしょう。

カパの「重たさ」は執着にもなりうる

カパのエネルギーが乱れると、物事に執着したりこだわりが激しくなったりします。長所である穏やかさは、執念深さとなってしまうので注意が必要です。

また、カパエネルギーの特徴に「重さ」があります。バランスが崩れるとその重たさが不活発さとなり、何事にもめんどくささ、億劫さがつきまといます。バランスの崩れがひどくなると、鬱っぽい症状や、物事や人に依存したり執着したりしてしまうことがあります。

眠気がなかなか取れずいつまでも寝ていたい、動くのが面倒と感じ始めたら、カパのエネルギーがバランスを崩し始めているかもしれません。

カパに必要なのは「運動や好奇心をもつこと

カパのエネルギーが乱れると何事も不活発になっていきます。ヴァータのエネルギーは、忙がしく落ち着かない日常で乱れやすくなりますが、カパはその逆で、変化のない日常、刺激のない日々、退屈さを感じることでバランスを崩しやすくなります。

不活発さは積み重なることで活動する意欲を奪っていくため、適度な運動で体を動かすことで体を温めて、エネルギーを活発にしていくことが必要となります。

面倒くささが出てきたら、あえて「行動する」を指針に!

カパは、面倒くささや億劫さを感じやすい性質ではありますが、実はとても体力がある体質。運動量の多いジョギングや、激しいダンス、ジムなどでの筋力トレーニング、エアロビクスなどを取り入れると、体がすっきりとして、エネルギーがみなぎるでしょう。

また、精神面でも活発さを意識しておくことが必要となります。新しい経験を定期的にする、新しい人との出会いの場に出向く、好奇心を忘れないようにするなど、「新しいこと」にチャレンジしてみる意識を日常に取り入れることが重要です。

カパのバランスを整えるヨガ

重たさと安定性のあるカパ体質は、その性質がマイナスに働くと運動不足になりやすく、動きが鈍くなります。ヨガでも筋力をある程度使うもの、体幹を強化するヨガポーズなどを取り入れるのがよいでしょう。

ポーズの完成度にこだわるよりは、力強い呼吸とともにリズムのある動きを取り入れたポーズを行うと、楽しみながらできるでしょう。全身を刺激して代謝を上げる効果のあるものは、冷えやすいカパ体質の体を温めてくれます。

プジャンガ・アーサナ(コブラのポーズ)

  1. 正座で座り、両腕を前方へ伸ばし、上体をかがめます。
  2. 息を吸いながら、手首の真上に肩がくる位置まで体を前方へ起こしましょう。腰が反った上体にならないように、お腹に力を入れておきます。
  3. 息を吐きながらゆっくりとうつ伏せになりましょう。腕の力、腹筋を意識的に使います。
  4. 息を吸いながら上体をお腹の上部あたりまで起こしましょう。
  5. 息を吐きながらうつ伏せに戻ります。
  6. 息を吸いながら再び上体を起こします。
  7. 背筋、腹筋で上体を支えつつ、腕の力にも頼りながら5~10呼吸キープしていきましょう。
  8. 体に無理が無ければ、一度うつ伏せに戻った後、再び上体を起こせるところまで起こしましょう。このときに肩が引きあがらないように注意し、肩甲骨を下方に引き、顎を斜め上に引き伸ばしながら、胸、みぞおち、お腹までをしっかりと伸ばしていきましょう。
  9. 5呼吸キープしていきましょう。
  10. 終えたら最初のポーズに戻り、腰を丸めて休みます。

    マツヤ・アーサナ(魚のポーズ)

    1. 仰向けの姿勢で寝ます。
    2. 両腕を体の下に置き、手のひらを下に向け、重ねないようにします。
    3. 息を吸いながら胸をしっかりと開きます。
    4. 息を吐きながらお腹を凹ませて腹筋を使いましょう。
    5. 息吸いながら肘で上体を支えて起こします。
    6. 頭を下ろし、頭頂部を床に下ろします。
    7. 肘で床を押しながら背中を引き上げて胸が開いた姿勢をとります。
    8. 吸う息は胸を伸ばし、吐く息はお腹からしっかりと吐く呼吸を繰り返しながら5~10呼吸キープしていきましょう。
    9. 終えたら頭をずらしながら仰向けに戻り、楽な姿勢で休みます。

    カパの重い性質を生かすには、日常に活発さを取り入れる

    安定感と穏やかさが周囲の人々に安心感を与えるカパ体質の人は、平和主義であるために自分の気持ちや、本当はやりかったことなのに、周囲の反応に合わせてしまい、何かと我慢して自分を押し殺しちです。そうなると、エネルギーは不活発になり、鬱々としたエネルギーに悩まされることになります。

    優しい性格だからこそ、まずは自分自身が自分の気持ちを意識的に汲み取り、自分で自分をケアしてあげることがとても重要となります。

    何事にも変化を怖がり勇み足になるのを自覚したら、あえて活動的に動いてみましょう。最初は勇気がいることかもしれませんが、カパ体質の人には、何よりもチャレンジや活発さ、好奇心が必要です。

    カパ体質の人の幸福感は周りをも幸せにする

    変化を嫌がって抜け出せないときは、平和で穏やかな生活に満足しているかのように見えて、実は自分の知らない物事への恐れや怠惰さがあらわれているかもしれません。

    新しいことにチャレンジするために、ほんの少しの勇気を持つだけで、エネルギーがみなぎり、幸せを感じやすくなっていることに気がつくはずです。そしてそんな幸せそうなカパ体質の人に、周囲も幸せな気持ちや安心感を得ていくことでしょう。

    これまで5回に渡ってご紹介してきた「アーユルヴェーダの体質に合ったヨガ方法」はいかがでしたか?今後も引き続き、ドーシャの性質を考慮しながらヨガのアプローチを使ってできる季節ごとのケアや、体調を崩したときに対応できるヨガ方法など、日常に活かせる知識とアプローチをご紹介していきます。お楽しみに!

     

    参考記事:体質別のヨガシリーズのこれまで
    「ヨガとアーユルヴェーダの深い繫がりと違い」
    「ヨガをやる前にアーユルヴェーダ的体質を知る理由」
    「ピッタの特徴と体質にあったヨガ方法」
    「ヴァータの特徴と体質に合ったヨガ方法」

    ※ヨガポーズ画像:著者撮影


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