インドのおかゆ(養生食)「キチュリ」をご存じですか?
インドでは広く養生食として食べられているキチュリ。断食明けの食事としても知られています。日本のおかゆと異なるのはお米のほかにお豆が入ること。お豆が入ることにより栄養価も高く、ターメリックやクミンなどのスパイスも使用してさらに消化力も補います。
アーユルヴェーダでも、消化力の落ちているときや、病気のとき、また、産後などにもすすめられているキチュリ。
今回は、このキチュリの作り方をお伝えします。
インドのおかゆ・キチュリの作り方
【材料】(4人前)
- インディカ米 1カップ (日本米でも可)
- イエロームングダル 1/2カップ(注1)
- 植物油 小さじ2
- クミンシード 小さじ1/2
- ショウガ(みじんぎり) ひとかけ分
- ヒング ひとつまみ(注2)
- お好みの野菜
(例)
玉ねぎ(1.5cm角切り) 1/2個
にんじん(1.5cm角切り)1/2個
大根(1.5cm角切り) 3㎝分
小松菜(2cm幅ざく切り) 1/2束 - 水 5カップ
- ターメリック 小さじ1/3
- 塩 小さじ2/3
- ギー 小さじ1(ない場合は、省略可)
※「ギー」の作り方
【作り方】
筆者撮影
- お米とイエロームングダルを洗って水につけておく。豆から出てくる白い泡のようなものが灰汁となります。
- 鍋に植物油を敷いてクミンシードをいれ、中火にしてクミンシードからシューッとと音がして小さな泡が出てきたらショウガのみじん切りを入れ炒め始める。しょうがのいい香りがしたらヒングを入れて玉ねぎを入れて軽く炒める。にんじんや大根(その他根菜をいれるときもこのタイミングで入れる。)
- 野菜に油が回ったら、水を切ったインディカ米とイエロームング豆を入れて混ぜる。
- 混ざったら、水、ターメリック、塩を入れて沸騰させる。沸騰したら弱火にし、蓋(ふた)をして20分火にかける。焦げ付かないようにときどきチェックして、水が減っていたら少しづ水を足す。
- 小松菜を入れて10分火にかける。
- 豆と米に火が通っておかゆ状になっていたら、塩味を調整して、仕上げにギーをたらして完成。
(注1)イエロームングダルとは、インドではひきわりの豆のことをダルといいます。
ムング豆は日本では緑豆といわれ、もやしの原料などとして使われています。つまり、イエロームングダルとは、ひきわりの緑豆のことで、豆の中で最も消化に軽い(負担が少ない)といわれています。
(注2)ヒングとは、スパイスの一種。中東原産の多年草の根茎から出る樹液を固めて乾かし粉状にして使います。豆類やイモ類などガスがたまる食物と一緒にとると、消化を助け、体内のガスを抜く作用があります。玉ねぎの腐ったような独特な臭いを放つことから、デビルズダング(悪魔のフン)の異名を持ちます。
体質別おすすめのキチュリの食べ方
〇ヴァータ体質
米:豆を1:1にする。
ドライフルーツやナッツを加えて、滋養強壮効果を高める。
〇ピッタ体質
ココナッツファインやココナッツミルクを加える。
コリアンダーリーフもたっぷりと。
〇カファ体質
米の量を1/4にする。
シナモンスティックやクローブをクミンシードと同じタイミングで加えてもよい。
断食明けや体力が落ちているときにぜひ食べたい養生食キチュリ。健康的なアーユルヴェーダライフを送る参考にしてみてください。
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参考:
上馬場和夫(2010.9.25)『アーユルヴェーダ・カフェ』地球丸
香取薫/佐藤真紀子(2012.8.2)『アーユルヴェーダ食事法 理論とレシピ』株式会社径出版
蓮村誠(2010.8.3)『究極のデトックスレシピ』PHP出版社
「アンドスパイス」代表
メーカーの営業職として忙しく働いていた頃、アーユルヴェーダの考えをベースにしたインド料理店の沁み渡るような優しい味に感動し、アーユルヴェーダスクールに通い始める。退職後、ベジタリアンレストラン、南インド料理店で勤務し、南インドカレー店「アンドスパイス」をスタート。不定期で料理教室も開催してる。
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