消化力「アグニ」と「やる気」がデトックスとアンチエイジングの秘訣

アーユルヴェーダ

アグニ(消化する力)とは

アーユルヴェーダの「アグニ」とは、食べものを消化する力のことをいいます。
食べたのもは、血液・筋肉・骨などの組織へと変換されながら消化・吸収・排出され、この変換の過程は生きる為になくてはならないものであり、アグニが行っているとされています。

食べるという行為は、生まれてから生命を終えるときまで毎日繰り返されます。口から食べ物を入れ、食べたものを各過程を経ていきながら、食べたものの必要な栄養を体にいきわたらせ吸収し、また不必要なものを体の外に排出・デトックスさせる消化という働きは、アンチエイジングの智慧として重要な役割を担っています。

デトックスとアンチエイジングの鍵となるのが、この「消化力」と「やる気」になります。

筆者がお会いする不調和の問題を抱え相談にいらっしゃる方のほとんどが、食生活の乱れとストレスによる消化力の衰えと、やる気の低下を抱えています。

消化力が衰えると体内に未消化物(アーマ=毒素)が蓄積していき、健康を害し、心までも曇らせてしまいます。それは、私たちの心身をさまざまな負のサイクルへと導いてしまい、やる気を低下させてしまいます。

やる気は、脳からの指令によって出てくるため、頭部のケアも定期的に行うといいです。

筆者自身、根を詰めて仕事を行ってしまうことがしばしばあるのですが、無理をすると頭痛に悩まされます。頭部に痛みを抱えると、何もする気にならず、思考も働かなくなってしまいます。

生まれてから今日まで口にしたもので、私たちの体はできています。
昨日の食事が今日の体を動かしエネルギーになり、今日食べるものが明日からのあなたの体を支えます。

今ある症状の原因はこれまで口にしてきたものだといっても過言ではありません。
下記を参考に、ただ食べるのではなく、「何」を食べるのかということを大切に考えるきっかけにしてみてください。

アーユルヴェーダ的アグニを高める方法

一日の中でアグニが一番に活動するのはお昼前後になります。
この時間帯に合わせて食事の量を決めておくことで体内に毒素を溜めにくくしてくれます。

昼食は一日の中で一番量を多めに摂ります。
朝食1:昼食3:夕食2」がベストな割合となります。

また、夜はアグニの活動が低く、食べたものを消化しきれずに、アーマとなって体内に溜まりやすくなるので気をつけましょう。

朝は、排泄の時間とし、朝起きたら日の光りを浴びてすぐに食事を食べずに「白湯」を飲み内臓を温めることによって、白湯の温かさからアグニの活動を高め、水分を与えることによって排泄を施してくれます。

つぎに、アグニを高めるために運動を行って汗をかくことをおすすめします。
自分に適した運動を選んで、適度に体を動かすと食事もおいしく食べることができ、アグニも働きやすくなります。

さらに、アグニは細分化されて働いているため、アグニが上手く機能されていないと感じたときは、アーユルヴェーダ専門家に相談することをおすすめします。

そのほか、もうひとつ大切なこととして、適量な食事をすること、です。
適量な食事は、正常な状態を乱すことなく、確実に体力の維持や肌の色つやを保ち、私たちが幸福な人生を得ることに繋がるとアーユルヴェーダではされています。

アグニを整えるセルフケア方法

まず、下記を参考に今ご自分がどんな状態か(アグニが低いのか、高いのか)を確認します。

【アグニが低いとき】

  • 寝起きが悪い
  • おならがでやすい(臭いがある)
  • 消化が遅い
  • 顔色が冴えない
  • 汗が出にくい
  • 便秘および重い便
  • 精神的に疲れやすい

【アグニが高いとき】

  • 多汗
  • 発疹
  • 短気で怒りっぽい
  • 下痢
  • 興奮しやすい
  • しやべりすぎる
  • 大きなげっぷが出る
  • 消化器に灼熱感がある

【アグニを味方にする方法】

ご自分の状態がわかったら、以下を参考にしてアグニを整えていきます。

  • 腹7分目程度の食事
  • 白湯を飲む(消化力を高める)
  • 感謝の気持ちで食事を行う

【アグニを損なう習慣をやめる】

  • 冷たいものを食べる、飲む
  • カフェイン、アルコールの摂取
  • 食べすぎ
  • 極端に食べない(食べなさすぎ)
  • 汁物を食べすぎる
  • よく噛まずに飲み込む
  • 体質に合わない食事をつづける
  • 不満をもって食事をする
  • 意気消沈して食事をする

このような習慣はアグニを損ないますので控えましょう。

【アーマをなくす食べ方を知る】

  • 消化によく、できたての食事をする
  • 落ちついた環境で座って食事をする
  • 非常に冷たいものを食べたり飲んだりしない
  • 完全に空腹になってから食事をする
  • 1回の食事は20分~30分程度ですませる
  • 乳製品、揚げ物、牛肉、豚肉、刺身は少なめに食べる
  • 添加物、加工物はできる限り控える
  • 食事中の水分補給は白湯にする

食べたものは、体の中で細かく段階を踏んですべての消化のプロセスを終えます。

より詳しく体をケアしたいという方は専門家による様々な角度からの検証も必要ですが、今回ご紹介させていただいたことを日々のセルフケアとしてぜひ、行ってみてください。

やる気とアグニがアンチエイジングを叶える秘訣!


やる気があるときとないときの自分、全然違うように感じますよね。

人は幸せになる為に生を受け、その幸せは自分で創造し自分で感じるものだと、アーユルヴェーダでは教えてくれています。
いつも幸せを感じ、やる気のある人は、年齢を重ねても若々しく清々しい印象を与えます。

また、日頃から自分自身を見つめ、自分で自分自身を幸せな気分にすることができる人は、周囲にもそのエネルギーを与えています。

反対に、いつも誰かのせいにして愚痴や不満ばかりをこぼしたり、ほかの人と自分を比べてしまい心がどんどんと暗くなってしまったりする人は、周りにもどんよりとしたエネルギーを与えてしまいます。

幸せを求め外に意識を持つのではなく、自分の内側を見つめ幸せを感じられるように、心を強く広くしていく努力をしていかなければならないように思います。そして、悪い習慣を少しずつ断ち、よい習慣を少しづつ取り入れることによって、悪い習慣を完全に断ち切ることができ、よい習慣は不動のものとなります。

心の持ちよう・あり方・やる気が大きく私たちに影響を与え、アンチエイジングを実現できているといえるでしょう。

そのためにも、同時に自分自身の体質に合った良質な食生活を日々大切に繰り返し、アグニを活性化させることによって、いつまでも若々しく心も体も健康な日々を送ることが可能になります。

また先述のとおり、日々何を口にするかもとても大切です。毎日、口にするものが私たち自身の体を作り、思考にも影響を与えます。

多忙でストレスフルな日常から離れ、自分自身を労わる時間を大切にしながら、自然に寄り添う時間を持つなど、喜びや幸せに満ち溢れる日々を過ごす参考にしてみてください。

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コメント

  1. 2022.02.17

    1occupied

ayur-notes編集スタッフ

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