コロナ禍の今、これまでの生活とは異なるキーワードや習慣が現れました。
戸惑いつつも、なんとか新しい習慣・日常に慣れてきた頃ではないでしょうか。
家にいる時間は相変わらず長くなり、軽い運動の機会もなかなか持てないと、心身のストレスを感じやすくなります。
運動をしたくてYouTube動画や雑誌を見ながら行うのもハードルが高く、続かない・・・もっと簡単に、思い立ったときにやってみたい!けれど、何をしたらいいかわからない、とよく聞きます。
そんなときに、ヨガポーズを詳しく知らなくても、心身を整えられる動きの基礎を知っておくと気軽にできますよね。
今回は、簡単に「セルフヨガ」ができる3つのポイントをご紹介します。これを読んだあとぜひチャレンジしてみてくださいね。
人間の基本的動作は3パターン
私がヨガを初めて習ったとき、ヨガのアーサナ(ポーズ)は古代より84,000種類以上あると教わりました。ヨガのアーサナは地球に生息するあらゆる生き物の動作を真似て、その英知を授かっているといわれています。
ヨガスタジオなどでみなさんが日々行っているヨガアーサナにそんなに多くの種類が存在するとは驚きですよね。
しかし、その生き物たちの生きる知恵からヒントを得てできたアーサナの動作も、人間の動きに照らし合わせてみると、大きく分けて「3パターン」に分けられると教わりました。
一生かけてもこなせないほどの膨大なポーズの数があるけれど、すべてにおいて3つの動きがベースとなっています。それは、「体を折りまげる前屈」「後方に反る後屈」「左右にひねる」の3つです。
この3つのパターンに、立ったり座ったり寝転んだりする動作が加わり、日々の生活動作となっているのです。
背骨を整えることがベースとなる
ヨガのアーサナの基本の動きは、上記の3つの動作で分けることができます。そしてすべてにおいて背骨を整えることを基準に考えられています。
3つの動作の説明に入るまえに、なぜ背骨を整えることを基準にヨガのアーサナが作られているのかをまず、説明していきます。
ヨガではエネルギーの流れる管である「ナディ」が背骨から体全体へとおっていると考えられています。
背骨を中心に真っすぐとおったスシュムナーというエネルギーの通り道があり、背骨に沿って7つのエネルギーポイントであるチャクラをを結ぶ経路となっています。
さらにそのスシュムナーを取り巻いてらせん状にイダーとピンガラーという陰陽のバランスを整える気道が走っています。この3つの経路がナディといわれるものです。
背骨を整えることを主要目的としたさまざまな動きにより、生命エネルギーを整え、心身を健康に保つことがヨガのアーサナの目的となっているのです。
アーサナ基本の3つの動作
では、早速基本の3つの動きを実践してみましょう。
ヨガアーサナ「前屈編」
まずは、体を折りまげる姿勢「前屈」です。
前屈といえば立った姿勢で床に手をつくポーズや、座って脚を伸ばした姿勢で両手を足先に近づけるポーズを思い浮かべると思います。
もちろんその「前屈」でOKなのですが、中には体が硬くてつらいと感じる方もいるのではないでしょうか?
前屈の動きは大雑把にいえば、背骨を伸ばすこと、腹部を圧迫することが目的となります。したがって、上記の「体を折り曲げる前屈」姿勢だけが前屈ポーズではないのです。
今回ご紹介するのは、前屈が苦手な人でもできる「赤ちゃんのポーズ」です。仰向けに寝ながら両脚を腹部に近づけて、膝を抱えるだけの簡単なポーズです。
著者撮影
仰向けに寝て、腹部に脚を近づけ、深い呼吸をします。吸う息で膨らむお腹や吐く息で凹むお腹の感覚を、引き寄せた脚で圧迫、緩めるを調整しながらポーズを深めていきます。
母親の体内で安心しながら守られているイメージのポーズといわれています。精神面のイライラや不安感を感じるときにもおすすめの前屈ポーズです。
ヨガアーサナ「後屈編」
後屈姿勢の特徴は、胸を広げて呼吸を深くするために行います。
姿勢が悪く猫背体型になると、胸が圧迫され呼吸が浅くなりがちです。また、首が前に突き出て頭が下がり、常に姿勢が下向きになるので、気持ちもネガティブになりやすくなるといわれいます。
後屈ポーズは顔を上げ、胸を広げる堂々とした動きです。姿勢も引き上げられ目線が上がり、前向きな気持ちを作っていきます。
何かに自信を持ってチャレンジする気力を得られるポーズなのです。
著者撮影
代表的なこのポーズは「コブラのポーズ」です。胸を引き上げ背筋で支えるこのポーズは、背骨を強化し、姿勢を整えます。生命力を湧き上がらせるポーズといわれています。
ヨガアーサナ「ねじり編」
最後はねじりのポーズです。
ねじる動きは、内臓に働きかけます。特にアグニ(消化力)を高めたいとき、整えたいときにはねじりのポーズがおすすめです。
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また、長時間座りっぱなしのオフィスワークで凝り固まった体をほぐすときにもねじりの動きは役に立ちます。歪んだ姿勢を整え、血流を促すことにより体内の巡りを調整し、それが消化力を高めることにもなります。
著者撮影
このねじりのポーズ「アルダマツェンドラアーサナ」は、まさにアグニを高めるとき、整えるときに最適なポーズです。
そのほかにも、仰向けに寝た姿勢でストレッチのように体をねじったり、たった姿勢で左右に体をねじる簡単な動きでも構いません。呼吸を忘れないようにして、背骨をねじる、腹部をねじる動きを取り入れてみてくださいね。
セルフヨガに「難しい」を持ち込まない。気軽にやってみよう!
自宅でセルフヨガをするときに、やり方に迷ったり難しく考えてしまったるすると、せっかくのヨガの時間がストレスになりかねません。
今回ご紹介した3つのポイントさえ押さえれば、気軽に気持ちよくヨガを日常に取り入れることができます。
うまくやることよりも、続けられることに焦点を当てて、心地よい自分らしいペースを見つけてみましょう。
ヨガを深めるためには知識も大切なものですが、まずは心と体を整えるために楽しむこと、継続できることが重要です。
ストレッチ感覚でよいので、ゆっくりと体と呼吸に向き合いながら、どんな刺激が心地よく感じるか、今日の体の調子はどうか、どこが痛くてどこが気持ちがいいか、など自分の体と対話するようにして動いてみることを一番の目的にしてみてください。
ヨガが重要視するのは、自分の心と体に向き合って、つながりをつくっていくことです。
上記3つのポイントを取り入れながら、ご自分のやりやすい動作で組み合わせるなど、1日3分からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ぜひ、毎日の習慣にして、体の変化を感じてみてください。
「マナヨガ」代表。20代の頃、ストレス過多で喘息が再発。心身の調和こそ健康だと痛感し、ヨガセラピーを学び始める。また姿勢と歩き方から改善し楽な体へと整える“マナメソッド”を発案。現在、名古屋、東京を行き来しながら本来の自分らしさを引き出すレッスンを行う。フルオーダーメイドで作る個人レッスンは、キャンセル待ちが出るほど定評がある。
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